特定調停とは、裁判所を通して組織された調停委員に、債権者との間に入ってもらい、今後の借金返済法方を決める手続きです。

特定調停は、認知度の低い手続きかもしれませんが、借金の額が少ない為、自己破産や民事再生をするほどでもなく、返済もそれほど困窮してはいないが、早く完済したい方や、その負担をなるべく少なくしたいといった方にメリットが大きい手続きでしょう。

特定調停では、貸金業者などの消費者金融から借金をしている場合、法律で定めた上限利率を超えているケースがある為、下記の利息制限法による引き直し計算を行います。

<借金の額> 　　　<　利息制限法の上限利率（年利）>
10万円未満 　　　　　　　　　　20％
10万円以上100万円未満 　18％
100万円以上 　　　　　　　　　15％

上記の、利息制限法の上限利率を超える利率が、、テレビや新聞などでよく見られる、グレーゾーン金利といわれるもので、平成２２年６月に貸金業法が完全施工され、このグレーゾーン金利が撤廃された事で、社会的な問題となっています。

こうした事情から、利息制限法の上限利率を超えない金利で貸付を行う業者が増え始めていますが、やはり過去の取引の場合、グレーゾーン金利での取引している事も多い為、取引明細を取り寄せ、グレーゾーン金利に該当する場合は、引き直し計算を行い、借金の額を減らす必要があります。

更に、特定調停では、今後の支払に関する利息がカットできる可能性があります。
特定調停の際、調停委員が債権者に対して、後の返済に関する利息をカットするように和解を進めてくれる為です。もし、債権者が利息カットを含めた和解に応じてくれた場合、今後の返済が、元本のみの返済となり、その負担は小さいものとなります。